夕暮

もう別に見たいものもないので
誰かを喜ばせることだけを考えている

渡りを終えて
翼を畳んだ鳥みたいに

来年また餌を求めて海を渡ることに
何の意味があるのか

君は僕の魂を引き裂いてくれるだろうか
もうそんなことを繰り返すなと

風を切る翼が痛む
去年よりも一昨年よりも

屑みたいな人生だったなぁと
別段それが面白いとも思わない

ただ
屑みたいな人生だったと思う

不思議なほど生きたいと願ったことがない
これからも願わないだろう

君が引き裂いた魂の欠片が震えて
私の名前を忘れるある日の

その日を祝福する歌が聞こえないといいな
なんとなく

暗雲垂れ込めても雨すら面倒くさくて降らせない
ふらふらと千鳥足の天使

百点満点の答案を屑籠に捨てられて
赤点の答案を引きずり出されて

君はきっと殺すことだって面倒くさいんだ
ただそれだけさ

太陽がすべての中心だとか
世界は象が支えてるだとか

死んだら綺麗さっぱりなんだ
魂があるのなら皿まで平らげてくれ

戻りたくないところがあるから
帰りたくないところがあるから

投稿者

神奈川県

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