彼女のプロファイルにうっとりとした
砂の中に埋めた
彼女の携帯が震えている。
わたしが猫を飼っていると
告げたら、
手土産に買って来てくれた
猫砂
あのゆすぎの
やり方は
インターネットで調べた。
信じたい人は、
気付かないほうがいい。
性善説と
洗脳の関係性
わたしは
彼女の
プロファイルに
うっとりとした。
女性、
29歳、
会社員、
疲れたので
話を聴いてほしい。
その想いを尊重して
やりとりでは、
わたしは徹底的に
傾聴に徹した。
世の中の印象は
とっても欺きやすく
愛想よくあいさつを返した
それだけで、
「普通の人だ」
と箔が付く。
「あら、お友達?
女子会かしら」エレベーターの中で疑うこともなく
住民はそう言った。
「まさか」
といつまでも思い込んで
何度でもわたしは、
新しい
彼女を
見つけられる。
────あなたたち姉妹みたいね
二個隣の部屋の
七十代の住民は
微笑みながら
私たちが肩を組んで歩く姿を目撃した。
チャンスだと思った。
「荷物、重いでしょう
それ
わたしが、持ちましょうか」
その住民は
感心したように褒める。
「いい子ねぇ
うちの息子の嫁さんに
来てくれたらいいのに」
わたしは、
瞼を
ゆっくり、閉じて微笑み返す。
「かわいらしい人が
好きなんです」
先端がちぎれた
ストラップを見せて、
「華奢な
お人形さんみたいな」と
重ねて、笑う。
住民は、一瞬眉をひそめたがすぐに
「あぁ面食いってことかしら」
と勝手に納得して
、息子の写真を探し始めていた。
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