杏
ヴィンテージデニムさながらに
擦れて傷ついた
裏腹にバランス取るように体は素直になる
触れられたり触れられなかったり
杏は始まりから終わりまで杏で
終わりからまた始まる
執着の終着駅とクロノグラフ
生きていることの熱狂
死にたくなる羞恥とアリバイ
おれは杏とグラスを重ねる
紫煙と貪欲
ストップモーション
突然の来訪者
見え隠れする狼狽
杏は意を決して捜索願いを出す
しかしすぐさま取り下げる
そしておれは証明される
杏は間違ってなどいない
そのままそこに杏がずっと
コメント
杏は始まりから終わりまで杏で/終わりからまた始まる
そして、最終連目を絡ませて読んでみると、物語が透けて見えるようですね。
おれは証明される、という表現が印象深いです。
@長谷川 忍
さん、コメントありがとうございます。
「おれは証明される」は書いてるうちに書かされた感のある表現でした。