渉猟

刻限に稲妻が飛ぶ。
最近は何を話していても、
不思議な事件簿(カルタ)になる。
ライムライト。
夜空から降り、燦々と夜空へ還(かえ)る。
さんざんにふざけた君たちの声が、
輝きながら、
ひとりひとり、天使たちを名指す。
言葉なんだろう。永劫の、
これらは、屹度(きっと)言葉なんだろう。
方途。
あくせくと地上を漁(あさ)りながら、
見えない川を探し続ける。
此処ではない何処かを、いつもそれが悔やんでいる。
口語ってホントつらいよね、澁澤さん。
渇き切った喉で、
音符のような李(すもも)を、
どうにか発語する。
キーボードを弾きたたく指。
このトンネルを抜け出た先だ。
そうして母語を押し開くとき、
夕刻の曇天に、
見えない落雷が轟く。

投稿者

京都府

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