うなだれていた
 誰も助けられなかった
 何の力も無かった

 無人の交差点
 そこにひれ伏した僕
 顔面は血だらけだ

 結局、力が無いと駄目なんだ
 個性が無いと駄目なんだ
 強みが無いと駄目なんだ

 ニャーーーーー

 冬猫がふらりと
 鍵を垂らしてふらりと
 ぼくの側へふらりと

 もう冬の季節か

 ぼくは冬猫をなでた
 そして、鍵を手にした
 誰かから授けられた鍵を

 ニャーーーーー
 冬猫は立ち上がった

 ゴーーーーーー
 そして、冬になった

 君は吹雪だったんだね
 そして、ぼくの個性は冬なんだね

 ゴーーーーーー

 交差点に人が歩き始めた
 車が通り始めた
 猫が歩き始めた

 ぼくが皆を守るよ
 吹雪に想いを託して
 冬に想いを託して 

 もうすっかり冬だ
 でも、ぼくが君を見守っている
 冬のヒーローだから

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