雪
君くらいの年の頃
私は一度死んだ
殺したと言った方が易しいかもしれない
未来が見えたから
無理解の中で
生きている実感もなく
訳の分からないことを言いながら
死ねない
そんな毎日が繰り返される
そして
子供に同じ思いをさせる
私は君を守るために生まれたのだと
産まれてこなかった我が子を撫でる
家族で一番病が重かった
治らない
生きているじゃないかと言われるから
笑うことでしか答えられないから
何も話したことがない
私が私を殺したなんて
君はきっと誰かを愛すんだろうなぁ
何もかもが当たり前であってほしい
当たり前のことなんて
何もないと分かっていながら
それは誰を愛すかということではなく
誰に愛されたかということでもなく
君くらいの年の頃
一番人生に絶望したもんさ
そう笑っていられたら
見たかった雪さえ降ってくれない
まるでお帰りと言うように
空が晴れ渡る
私は私を殺した手で
誰かを愛せるなんて思えないだけなんだ
ただそれだけさ
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