初夢 のら猫
初夢 のら猫
毎朝、だいたい同じころに
家の庭を通過する猫は
のら猫のノラ
むかし、ノラの家猫だったころは
人語を理解していたのに
あれからいろいろあってからも
逃げずにここで生きてくれて、
ただ、今は声をかけても見向きもしない
隣家の奥さんが壁越しに声をかける
「シロ、ご飯よ」
ノラはヒョイっと壁に登って
私に見向きもせずに
隣の家に入っていった
違う名前なんだ
少し驚いたけど
そうやって、したたかに
生きているのだろう
亡霊の子犬のクロがあらわれた
(ご主人様、沢山の主のいる輩など
相手にしないでください
(分かっているって、でもね確かに
結果的に引き取ってノラと一緒に
生活していたこともわずかな月日だけど
実際にあるわけだし、自立させた経緯も
いろいろと関わってしまって複雑なんだ
今はただ元気でいてくれて嬉しいのだよ
戸棚には、あのとき友人から手渡された
魅了の魔力がとても強めに入った媚薬の袋が
使われずに置いたままだけど、
捨てたほうが良いのだろうか
いやいや、そんなものは現実には無いし、そもそも
ノラの家猫の話しはひとつの私の物語りでしかない
今考えているのは現実ではないから、夢なのだろう
最後の数秒くらいの前後のあたりで目が覚めていた
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