拝啓、中島みゆき様 vol.10 ホームにて
中島みゆきは、デビューしてからずっと
帰れない者たち、故郷はあるけど
向こうから背を向けられてしまっている
(あるいはそう感じてしまっている)
人々を歌ってきました
この曲もそうで
帰りたい気持ちはあるのだけれど
なんだか気が重い
故郷行きの切符ばかりが溜まってしまうが
燃やすことも出来ない
未練、というのか、郷愁、というのか
そういう想いが断ち切れない
人たちの曲
と、長いこと思っていました
ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが亡くなった時
彼がこの曲が大好きで、お酒を飲むとよく聴いていたり、カラオケでも歌っていたりしていた、という話をしていましたが
その時にふっと思ったんです
この曲は、単に帰りたいけど帰れない故郷への想い、を歌った曲
というだけでなく
駅、ホーム、というのは
死への世界に向かう汽車を待つ場所
なのではないか、と
すると、歌詞に登場する汽車が
何故に、最終、なのか
明かり灯る窓の中の人々は
何故に、笑って、いるのか
てのひらに残る、白い煙と空色の切符
の意味するものがなんなのか
わかったような気がしたのです
汽車に乗らなかったのは
帰れない、のではなく
まだ死ぬわけには行かない
もう少し踏ん張ってみなければ
という、生と死の境界で葛藤している
そんな曲、なのではないかと
深い
しみじみ、深い
沁みる曲です
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