拝啓

拝啓

目下、僕が気になっていることは
貴方がお元気でお過ごしかということです
世知辛い世の中で
貴方が憔悴していやしないかと
気になっているのです

だらだら続く上り坂
行きつくのか
行き着いたとて何があると言うのか
酷なことに
立ち止まることは許されない
進むしかないのです

僕はせめても示す
貴方の足元に
煌めく小石を傾ぐ野花を
貴方の頭上に
梔子色の雲を透き通る空を

慰めにも成りはしませんか
僕は俯くしかないな

それでは
夢や希望や愛について語りましょうか
やけっぱちな論説は
貴方をますます孤立させるばかりか
弱りましたね

僕はもう
貴方の傍らで
遠くの蒼い峰を眺めているよりない

僕の視線の先を
ふと追った時、
山々を照らす西日を避けるように
控えめに輝き始めた星を
あちらこちらに
そこかしこに見つけたら
貴方の足取りは
束の間、浮き立つでしょうか

投稿者

大阪府

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