ゆういち 3
美しい少年だった
文句なしに女ったらしだった
あんなののために人生を棒に振るつもりはなかった
つまり、ん、なんていうのか、
君は醜いんだ
私の醜さと相応に醜いんだ
でもあの美しかった少年と何も変わらないと思うんだ
つまり、そうだな、醜い上に堅気なんだな、そしてお調子者
君達がまた恐ろしくいい加減なことを吹聴して
何が面白いのか笑っているような顔をして
お日様の下で良かったね、仲良くしようねってやってる姿が目に浮かんで
ま、いつものことなんだよ
どうして手を離そうとしないのかのほうが理解不能だ
その深海魚みたいに退化した器官を使って夕暮れに何かを感じるってのか?
ああ、大丈夫、俺は踊ってるだけ
不器用だからそう見えないんだ
微分積分が解けるのに星は見えない
火傷はするのに美味しいお茶の一杯も淹れられない
母はそれを生まれつきの才能だって言うけれど
俺は深海魚の目が欲しかった
君よりもっと醜くて卑しい連中が俺に手を出せると思って
別に出したっていいよって言ってるのに俺の毒で死んでいくんだ
分からなくなるんだ
鳥と猫、どちらも負けず劣らず目がいい筈なのに、決着は付かない、つまりどっちが生き残るかってこと
何も見えなきゃ良かったのに
死んだくじらの肋骨に住んで深海魚の詩を書いて死ぬんだ
俺から俺が産まれて
俺の詩を読んで俺に育っていくのさ
さよなら、ハニー
死が二人を別つまで
君は深海に降る雪を眺めていて
俺は真っ赤な夕焼けを見て過ごすから
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