影乱れて、清水返る

余歌
天つ風
盃ゆらぎて
影乱れ、
根の国の水
ただ清らけし。

天つ酒の
力負へるに、
人の子は
己が真名さへ
忘れ果て、
高天原
照らす光を
我がものと
思ひ驕りて
影の乱るる。

盃の
重ねしほどに
魂鏡
曇りて深く
底を見失ふ。

されどまた
根の国よりぞ
湧き出づる
清き水あり、
静けく流れ
影返しつつ、
天つ風
そよぎて告ぐる
道の端。

酒と水との
あはひこそ
人の運命
揺らぐ境なれ。

反歌
天つ酒
酔ひて曇らむ
魂鏡、
根の水にこそ
影は返りぬ。

投稿者

東京都

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