カタルシス
親に怒鳴られるのに理由がない
兄弟に忘れられるのも普通で
嫌いなものがよく分からなかった
ただ命令に従って喜ばせればいい
お小遣いのために外に出ると
人間性や最低限の保障などを
盛んに叫んでいる人たちが大勢いて
それを聞くのがとても怖かった
何処の誰が僕を守るんだ
何もかもを憎んでいるぼくなんかを
尊重することや約束を守ることを
誰に求められたって出来ない僕を
人を動かすものは死への恐怖だ
少なくとも僕の内にはそれしかない
犬ですら死期を悟って目が濁る
いつか主人を嚙み殺す夢を見ながら
コメント
読んでいて辛い詩でした。この詩を書くことが、作者のひとつのカタルシスになっているいるのか、とも考えてみます。最終連、ずんと響きました。説得力があります。
長谷川 忍さん
読んで下さって有難うございます。
自分がされた悪事を他人に対してするのは許されることか、という所を考えていました。
その態度が正しければ正しいほど、世間的にはきっと見世物なんじゃないかな、と。
カタルシスを正しく認識出来ている自信はありませんが、詩を語っている人のカタルシスが見つかって救われればいいなぁと思いました。
たちばなまこと/m さん
有難うございます。カタルシスは心の傷を癒すかな、と空想したりしています。