
ロブ・グリエ
美しい君はなつかしい日々を介在させる。その保管庫は下り行く坂道に固定されるわけではなく。ただ記憶のユーラシアにみすぼらしい日程で、ごまかされているだけなのだ。抑揚とシングとでこの傾向はますますあげつらう。ひさかたのひかりにのどぼとけへと、つれられて。北進する部隊の水甕が新しい星座へと塗り替えられるので。もしくは重大な失策がこの部族のアイデンティティに影響するので。賢くして愚かでいてとぼけていて、無理な願望として。銀行口座から湖へと回船する。ひどく君を責めた日もあったのだ。それはもうすでに過去のスナイパーで。わたしの首に手製の銃で引き金を引く。さらけだした日々の不幸の色合いに関して、すくなくともこの虹彩は語らないでしょう。事実と違背するこの語りの内には。そして月と地上の計画的衝突があなたに実現する。広がり行くものは自然界の生物と未来の過失を誘惑とする。このいたたまれない気持ちに寄り添って、君はロボットの眼に油をさす。良く動作し、良く観察するもの。多くは自身に感情移入し、その大部分は自身から委嘱される。またかつての来訪の歌に、このしじまのしわぶきを与えるのである。ラーラ、ラーラ、それはもうしばらくの快感である。捨てられた女と拾われた女は同一である。その頭部にデザインの妙で、いくつかの芝居が構成される。それはもうここではない。それはすでにあらゆる時空を超越する。だがしかし君と言う美の原形が、わたしに教えるのである。手も体も自由と言う名前に酔うばかりで。誰もがペルシャの泉に口をつけないのであると。坂道の途中ではオンドリが眼を開いている。さようならと言う言葉につつかれて、オンドリは自己の名前をアンダーパスする。そこでは時間が回転している。そこではわたしの眼がスローに彼を見つめている。飛び出した空間に、ひしゃがれた空室に、素質のままに押し黙り。その悠然と未知の歩き出しを意図するのである。簡単ではないはずの、困難な横滑りの。だらしなく眼を解放し。その意識の庭園に移植の場所を教えるのである。そしてもう寒さは極限まで地上に来ている。歩くスピードはそのままで。渾身の叫びで沈黙の壁に声をぬりたくる日々。あらゆる濃度は、君へとのばされて。テラスは解放する。
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