知覧

しづかなもののふの町に
しづかなひかりがこぼれる

三百年変わらず
あさにははたけを耕し
ゆうべには端座して漢典をおんどくし
よめはははに従い
はははよめを慈しみ
こはちちを習い
ちちはこに示した むごんで
ひそかに生まれ
ひそかに死んだ

たれひとり白砂のみちを
あるくかげはない
でも
たましひはきょうも顕われ
そしてきえる
なにもない日々を
なにもかえずに暮らす

みどりだけがいつまでも青々しく
ほんとうはまいにち更新される
なにひとつ
くわえられても うしなわれてもいない
まちで

投稿者

コメント

  1. 丁寧に読まれているなぁと感じ入りました。
    三連目の「たましひはきょうも顕われ ~ なにもかえずに暮らす」というところが特に響きました。

  2. @汀尋(ていじん)さん
    コメントありがとうございます
    私などではとても到達できない、凛としながら、心の底ではいつも死を感じながら、でも静かに謙虚に暮らしているひとたちの居住地という感じのまちです。
    そのようなテーマを受け止めていただいてとてもうれしいです。
    今後ともよろしくお願いいたします。

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