さよなら輪郭
さようなら輪郭よ
交差点でうつむく朝よ
変化を恐れない街では冷えた太陽が
赤と白の麒麟たちを浮かび上がらせ
ぼくたちに知らしめる頃
ぼくたちは雲海製造機能装置だ
車窓にはじけるわたぼうしだ
ホームで手をこすり合わせるあなたたちへ
ぬくもりを上手に想わせる
仕事を終えた国道の路地裏で
夜の只中に白檀がうまれては香る
明滅する洒落た灯りの群れから
気まぐれに照らされながら
秘密のステップを抱いてななめに横断する
悪い子かもしれないし そんなことはないのかもしれない
誰かが決めたルールに疑いもなく
ついてゆくほうはどうなのかな なんて
街を赦せるかい
いとしい人が腕をからめてくる
かざすのは指にはめた擬石
滲ませるのは照れ隠しのせいだ
まぎれもない愛のせいだ
コメント
おひさしぶりでーす。
最近みなさんのコメントの往来が少ないのでここを離れ気味でしたが、読みたいって書いてくれた人がいたので(ありがとうございます)投稿しました。
結局どんな場にいても、コミュニケーションがとりたいのでした。
ここになにか書いてくださった方の作品は読んでコメントしたいと思っています。(抜けてたら教えてください)
すごいテーマの一貫性とドラマチックな展開の都会詩だ。タイトル、冒頭から引き込まれますね。輪郭(の曖昧さや崩壊の肯定)は自分も大好きなテーマです。こんな風に表現されるのすごいな。比喩と断定が刺激的でそれが愛にくるまってるのがたまらないな。読めて良かった。
滲ませるのは照れ隠しのせいだ
まぎれもない愛のせいだ
ここ、最終連、に感動しました。
輪郭にさよなら、か。
私の場合、輪郭は無いようなもの?なので、輪郭にさよなら出来る この詩の話者(もしくは、作者)の たたずまいが、(うらやましいのでは無く。うらやましいと言うと、なんかちがう。)まぶしいです。
最終連目、いいですね。作者の温かさが滲んできます。いとしい人の存在も…。街を赦してあげてください。現在の風景、情景を大切にしてください。
@あぶくも
さん いつも見つけてくださりありがとうございます。
渋谷の会社に勤めているわけですが、自分は絵の具の滲みのように都市に溶けている存在だなと日々感じています。
都市は無関心でいてくれながら時々手に触れてくる、そんなところが好きです。
@こしごえ
さん、いつも残った言葉を教えてくださりありがとうございます。
輪郭が無いことも、名前が一つじゃ無いことも赦してくれる場所が私には必要で、それが概念であってもいいのですけれど、確かに在ることに喜んでいる詩、です。
@長谷川 忍
さん、いつも向き合ってくださりありがとうございます。
いとしい人に街を赦せた瞬間を味わってみて欲しいなと思っています。同時に赦さなくていいとも。
僕も「ぼくたち」の仲間に入れてくれますかねえ(たちまこ節健在で佳き佳き
@三明十種
さん、あちらでもこちらでもありがとうございます。節、ありましたか。嬉しいです。
電車に乗っていたのです。窓ガラスが曇っていたのです。あなたももちろん仲間です。
何回も読んでしまいました。こういうの自分も書けたらなと思いました。
やはり題名にも通じる出だしの「さようなら輪郭よ」のフレーズが秀逸ですね。全体的なイメージとしては寒い冬の都会の朝から夜のある日の情景のように思いました。その何気ない冬の一日の情景の中に、かけがえのない暖かさみたいなものを感じさせるのはやはり最後の連の描写にあるのでしょう。比喩が何となくわかるようででもなかなか難しい。赤と白の麒麟って何だろうとか、夜の只中の白檀はあれかな?、雲海製造装置は分かるとか、想像しながら読みました。
@花巻まりか
さん コメント頂けて嬉しいです!ありがとうございます。
光栄なお言葉。胸に染み込ませます。
@たかぼ
さん、いつも書き手冥利に尽きるようなコメントをくださりありがとうございます。
この頃境界線のことをとても考えています。曖昧なままにすることへの理解、在ることをただ感じる自由?なんかを。
麒麟は高層ビルを建設中のクレーンで、白檀は実際に香ったどこかのお店のアロマです。(どこかはまだリサーチ中)
たちばなさんの詩には
気がついた時にはいつもたくさんコメントがついていて
つい気おくれしてしまうのですが
素敵でした。。。特に「雲海製造機能装置」が
@nonya
さん いつも気にかけくださりありがとうございます。
“雲海製造機能装置”と“さようなら輪郭よ”はこの詩の胎動のように思っていたので、素敵に思ってもらえたことが嬉しいです。
無機質でしっかりと流れるぼくたち人間の創った街 に対する ”ぼくたち”の出し合う温もりや温度、と
自然の持つ不思議な力とが混じり合い
輪郭が滲みあって、お互いに溶け合ったそれぞれの瞬間を感じました。
「これからはじまる」ものが開いていく時間のようで、わくわくします。
@kフウ
さん、はじめまして。ありがとうございます。
ワクワクすると書いたくださったのがとりわけ嬉しいです。
はじまり続けることの連続から起こるハレーション、その少し手前のような感覚を書いたような詩です。