記憶の標本、あるいは眠りの系譜
漆黒の宇宙の胎内で
一窓が花開く
その飾られた静寂に
樹は目覚め始める
葉を落とし
白き枝を広げる
骨のように輝く むき出しの
あたかも誰かの祈りを掲げ
光へと飲み干したかのように
無重力で漂う二人の子供
風のない空を浮遊する
木々のゆっくりとした深い呼吸と共に
彼らはうたた寝の世界を泳ぐ
一人は過去から浮かび上がり
一人は未来から漂ってくる
あるいは彼らは一つの魂が分かれたもの
再会へと向かう長い長い滑走路を
駆け抜けているのだ
枠の中
時間は琥珀へと固まる
黒と白の間の淡い静寂に
名もなき物語が沈みゆく、そっと
彼らは知らない
まだ
互いの胸を飾っていることを
孤独という名のブローチが
美しくも悲しみで形作られたこと
ただ木だけが覚えている
この闇の洞窟の彼方に
朝が待っていると
眩しく 見えぬまま
未だ全ての目から隠れて
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