ロボット
ポスドクになって早十六年
何でも良いから
正規職員を目指さねばと
面接に行けば
三人いる面接官の一人の肩に
小さいロボットが座っている
質問に答えようと
僕が顔を上げると
ロボットの目から
光線が発せられるため
僕は面接官の顔を
直視することができない
ロボットは面接官の肩から肩を
華麗に渡り歩いて
眩き光を放つ
僕が目を伏せている間
面接官の存在は波となり
その存在を把握できなくさせる
紛れもなく
あのロボットは
五年前この僕が
シュレリンガーの箱に閉じ込めた
自動ロボット
まだ生きていたのか
面接官を粒子として認識できぬまま
立ち去る僕の肩に
ロボットは素早く飛び乗ると
僕の首にしっかりとしがみついた
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