ささくれ、もぎって。
固い爪と柔らかい皮膚とのあいだ、
境界に生まれた引っかかり。
集中力を阻害するのは、そうささくれ。
触るとぴんぴんしていて、
先端に指を当てつい
その感触を執拗に確かめる。
これは私なのだろうか。
それとももう私ではないのだろうか。
中途半端に引きはがそうとしたその代償。
滲む肉の色、野生の色。
ちぎろうにも痛くて、
爪切りでぱちんと切るにも面倒で。
産声をあげるわけでもなく
ただそこにあるささくれ。
親指が人差し指を撫でると
その存在の不調和を訴える。
思わぬときにちぎれたり、
べりっとめくれきってしまったり、
無くなるときはほんの一瞬。
そしてすぐに忘れるだろう。
爪と皮膚のあいだの子。ささくれ。
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