闇を落ちて

にこやかな顔から
吐かれた言葉が毒となり
震える指先を染めていく
 
ジクジクと
疼くこめかみの奥で
繰り返し響き、浮かぶあの顔。
 
追いすがる声に背を向け
ようやく家にたどり着く
 
ひとり
 
バナナチップをむさぼり
ささくれた心とともに
かみ砕きながら
 
部屋中を音楽で満たす
浴びるほどの歌声が
毒を塗りつぶすように
柔らかな声の
一音に心を添わせ
痛みを飲みくだして
 
人肌の布団の中で
途切れ途切れの微睡みに
口にできなかった言葉が
幾度も蘇り
眠りと記憶の
混濁する狭間
 
見上げた時計は2時
 
青昏いカーテンが
静止している
  
闇に溶けていく

投稿者

愛知県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。