祀り

ゆうべ ひだりのみみを削ぎ落し
あけがた みぎてのこゆびを切り取った
なんともない
きたない木工所からにじがたつ

だからあしたはホームセンターで
はしゃぐ子猫をゆびさきであそばせ
おおきめののこぎりを買い
ひだりのあし首を断ち切ろう

こうしてひとつひとつの憂いが
いみのないことだったと
たしかめながらゆっくりときえていく
きのうまでつよい香りをはなっていた
ゆりの花弁があさにはおちているように

祀りはおわった

呪辞がみみもとでささやかれる

そうしてまいにちすこしづつ
わたしはわたしのわたしをけしていく

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