ステップ
事務室の扉が開き
梅の香りに
丸くなった風が
転がり込む
「あと何日」
と
カレンダーを数えて
座るあなたがいる
軽快な仕草で
あなたは引き出しを空にして
見送る私たちのなかで
あなたの形の隙間は
輪郭を際立たせ
私たちという言葉では
混ざりあわない時間に
エゴと見栄を
塗り重ねて
見送る視線は
描き終わった絵皿の惨状
梢の先で
桜のつぼみは
膨らみを急いで
また一日
影を増した事務室に
動きを失った机の列を
残して
灯りを落とす
コメント