肋骨

肋骨

左側の
下から二本目には
幼い過ちが
絡みついている

右側の
上から四本目には
小狡い鳥が
棲みついている

左側の
上から三本目に
温かい実を
結びつけてくれた人

私は初めて
「暮らし」を知った

背中は語るけれど
肋骨は黙り続ける

私は背中に
喋らせながら
肋骨で
こそばゆい秘密を
守り続ける

投稿者

東京都

コメント

  1. 整った肋骨の中に、時々嬉しいおまけがあるようなキャッチーさを感じました。

  2. 人体を通して自分の歴史を辿るような発想と、肋骨と背中の対比が印象に残ります。

    僕の肋骨も黙っている、と思いました。

  3. たちばなまこと さん
    >ありがとうございます。
     肋骨には想い出というおまけがたくさんぶら下がっています。

    服部 剛 さん
    >ありがとうございます。
     かの高倉健さんも肋骨はとてもおしゃべりだったような気がします。

  4. 写真を見ながら拝読すると、この詩は橋を擬人化して書いておられる気がしてしまいました。
    橋の裏側の構造が 肋骨や背骨に思えました。この橋のどこかに鳥が住んで居そうでです。

  5. るるりら さん
    >ありがとうございます。
    橋の裏側を撮っている時に、これは「肋骨」だなと思いました。
    鳥の巣はもちろん心臓です。

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