はじまりの木

ぼく生まれたい
ぼくの中の小さなぼく
はやく生まれたい

さがしてもどこにいるのか
たずねてもだれも知らない

きのうのぼくではない
きょうのぼくでもない
たぶん
あしたのぼく

風になって
雨になって
葉っぱになつて
木になつて
いっぱい生まれる
そのときぼくは
ぼくを捨てる

投稿者

大阪府

コメント

  1. 本当になったお伽話のような。
    わたしもわたしを捨てられるようになれるかしらと、想像しました。

  2. 遠くから温かく呼ばれているような気がしました。

  3. なって→なつてに変わるだけで、時間を逆にもどしていくような、いくつもの種になつていくような、不思議です

  4. 本当のいのちが自分の中から芽生える希望を、感じます。 ラスト2行の感覚は深いです。

  5. かわいいのに綺麗な
    ことばがいいです。

  6. たちばなまことさん
    はじまりの木になれたら、自分を捨てられるかもしれませんね。ほんまかな?

    あまねさん
    近くで今朝、うぐいすの声を聞きましたが、どこに居るのか見つけられませんでした。

    timoleonさん
    なって、なって、ばかりですね。なかなか木にはなれそうにありません。今もなお。

    服部 剛さん
    いま、木々の若芽がどんどん生まれていますね。これは何かの始まりでしょうか。

    忘流人さん
    かわいい言葉でごめんなさい。もう生まれ変われないほど年をとってしまいました。

  7. 初めまして。無駄のない言葉づかいで最初からずっときて、「いっぱい生まれる/そのときぼくは/ぼくを捨てる」となるところがうまいし「おおーーーっ!」となり感動します。すてき。

  8. お久しぶりです。私は、近しい者が臨月なのです。だから、胎児のことを おもいました。おなかのなかどは、つい最近まで 魚みたいだったのに、爬虫類になって、胎児は まるで 生命樹のような感じです。

    風だったころも たぶん あったろうし、
    葉っぱだったことも きっと あったんだと おもうので、

    わたしも いつも あたらしい
    はじまりの木に きっとなれる気がしてきました。

  9. こしごえさん
    コメントありがとうございました。
    古くなったものを捨てながら、新しいものを探しつづける。
    新緑の季節には木になりたいと思ったり。

  10. るるりらさん
    ここでまたお会いできましたね。
    大きな生命樹の一枚の葉っぱとなって、風に吹かれています。
    新しいはじまりの木となって、新しい活躍を始めてください。

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