滲み坂にて

きぬぎぬ
にじみ坂付近
青のバラックの発色
降りる光
すべては死の孔の配下にあり
その陰鬱なスロープを
ねっとりとした人間が登ると
頂に誰にも相手にされぬ廃れた詩人の家があって
その人の傷口はぱっくりと露呈され
見せるも見せぬも私の自由で
見るも見ぬもお前の自由
しかし
それでも
詠え
と言っている

素空の高み
冬はゆるりと去り
安定を備えたビーム
やがてくる春の日の喧騒は
安寧世界とケタ笑いし
日々を遺物とし
終わって始まり
真理をまさぐる手となり
首を絞めたり
口をふさいだり
痛い切れ雲と
心音の断末魔
しかしその人は
お前が詩人でなくなるまで
詠え
と言っている

にじみ坂の造花は満開になるだろう
春になれば

投稿者

神奈川県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。