主人に忠実で
朝に夕べに
散歩の供をした
主人の冷たくなった冬は
颯爽と歩く姿に歓喜して
慌てて追っては転んだが
寒々しい道路を背に
軽やかに天へ帰る
あの人を
見失いはしなかった
空が滲んで見えなくなるまで
いまもあの人のご近所を
思い出のお供をしつつ
朝に夕べに
ひとりさまようという

投稿者

茨城県

コメント

  1. 何度か推敲するうちに混乱してきました。忠実な杖がいて、主人が死んで天に帰るのを見送り、しかし杖はこの世に残って主人の思い出を忍びつつさ迷い続ける、という内容です。自分でも何でこんなん書いたかようわからん。それにしてもソネットにしてもよかったかもしれません。

  2. シュールななかで世界の存在否定でもあるような不思議な感じがしました。

  3. babel-k さん ありがとうございます。自分も最初に着想した瞬間は、ちょっとシュールで面白そうと思いました。でも何度も推敲するうちに、これってよくあることでは? なんて思い始めて、先日は街でどっかで杖が立てかけられているのを見たのですが、ふと「ああ、この杖も孤独にさ迷っているのか、かわいそうに」なんて一瞬思ってしまいました。

  4. いいですね、好きな世界観です。

  5. あぶくもさん ありがとうございます。若くないので、こういったどこかしら「死」の雰囲気の漂う作品きながら少し感傷的になります((+_+))

  6. ワンちゃんかと思いました
    共に歩く仲間がいるのは
    幸せです

  7. 那津na2さん 確かに共に歩く仲間がいるのは幸せですね。私はいつもひとりで方々をさまよっています…。

  8. 杖は、さまざまなものに置き換えて読むことができるかもしれませんね。私も、ワンちゃんを想像してみました。「空が滲んで見えなくなるまで」という一行、好きです。

  9. 長谷川 忍さん ありがとうございます。はじめは「涙で滲んで」にしたのですが、なるべく心情的な言葉を避けてみました。それがよいかどうかは自分ではわかりませんが…。

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