扉を開ける
画布に落とした黒い点を
指で伸ばしていく道路は
部屋からはみでて
町へつながる
無造作に置いた緑は
草ばえとなり伸び盛り
朽ちかけた家並みとなる
行き止まりに青をぶちまければ
空も海も濃淡を変え
空に散らした紅い鱗が
呼び覚ます尾鰭のゆらぎ
降り出した紫の雨のなか
銀色に迫り出す波頭は磯に砕け
最も深い蒼に刻む線から
のぞく視線が
この部屋を刺し貫く
画布から立ち上る
絵具の香りの奥に
探し当てた扉が
軋みながら開いていく
コメント
この詩の強度などに、酔いました。これは、すてきな詩です。