002.『コップと感情』

002.『コップと感情』

外側から流れ込んでくる怒りが
彼の内側から湧き上がる憤りが
目の前のコップの中を満たしていく
朱く朱く、それはまるで煮えた血液
ああ、ああ、もうあふれてしまいそう

あふれ出した怒りは罵声へと変わり
隣にいる人、周りにいる人のみならず
顔も見えないどこかの誰かにさえ向かう
その誰かのコップにも煮えた血液が注がれる
怒りの連鎖は連綿と引き継がれていく

そんな怒りのコップの中に愛情を入れておけばどうだろう?
本来は指定のコップに指定の感情を入れるべきだろうが
怒りや悲しみばかりが多い世の中ならば臨機応変に行くしかない
愛情と怒りが混ざれば、「安堵」あたりが生まれはしないだろうか?
少なくとも単なる怒りではなく、別の想いに変わるはず

いざというときに中身をこぼして粗相をしてしまわないように
日ごろから怒りの容器には大きなもの用意しておきたい
コップでは小さすぎる、もっと大きなバケツでも用意しよう
一方で、愛情の容器は……小さなコップのままでいい
ささいな愛で満たされて、どこかへとあふれていく
それだけできっと僕らの周りの世界は変わる

2008年8月27日作『煮えた血液-Emotion flows into your cup-』
ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』
2012年10月7日放送分

投稿者

青森県

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