帰還

 
 
 
繰り返し見る夢
 
錆びた金属の匂い
薄暗いホーム
五番線で電車を待ち
仕事へ行く
ともに電車を待つ横顔に
浮かぶ名前は懐かしく
 
走り始めた車内
大きな荷物を抱えた客達と
長く伸びた線路の先、
まだ見ぬ景色に焦がれて
 
おぼろに濃淡を変える霧
立ち騒ぐ波が寄せる海岸線
黒々と茂った森の奥
勾配を登り、峠を越えて
 
急傾斜を滑り落ちる視界
 
人気の絶えた住宅街
速度を落とす電車
単線のホームで降りる
 
見知らぬ道を
帰っていく
無慈悲な夜の街灯り
馴染んだドアノブの冷たさ
扉を開けて
蒸れた畳の匂う部屋へ
還っていく
 
抜け出せない檻の
扉が閉まる

投稿者

愛知県

コメント

  1. 解放に憧れますが(何からの解放かは抽象的)、現状維持でさえ、ふらふらな私は、現状維持出来ていることが良しなんだ、とたまに考えます。
    迷いながら、疑いながらも、進んで行けば、自分なりの満足に辿り着くのでしょうかね。深い水槽をのぞいているような、素敵な詩です。

  2. 「五番線」

    「リアス」私は無理です・・・重たいです

  3. @野鳥倶楽部 さん、コメントありがとうございます。
    「迷いながら、疑いながらも、進んで行けば…」でいいんじゃないでしょうか。納得のいくまで悩むのがいいと思います。
    満足に辿り着くのは難しいなと、我が身を振り返ると思えてしまいますが。

  4. @北杜アトム さん、コメントありがとうございます。
    抜け出せない檻と感じてしまう夢は重いですね。起きてから疲れていたりします。

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