籠を持つ

 
 
揺り籠に
揺られているとも知らず
過ごした日々を
ひと言が鋭く割いた
 
破れた網目から
こぼれ落ちる心を
拾おうとした手は
空を切って
 
くしゃり、と
 
潰れる音がした
 
揺り籠は
空のまま揺れて微睡み
所在なくハンカチを振る手
 
自覚のない言葉は
ありふれた一言となり
 
今日もどこかで
こぼれ落ちた音 

投稿者

愛知県

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