赤い白夜

天を仰ぐ

夏至の頃
貨物船に揺られてきた牛の群れ
その中の一頭が見つめながら言う

 陸の檻に閉じ込められた巨人よ
 天の理に頭を垂れ
 日出るまでに赤い杯を受け入れよ
 さもなくば
 涸れ果てぬ苦悶の淵を彷徨い
 永劫なる奈落へと堕ちゆくであろう
 銀の錨が交差する地で
 東西を睨む鷲と共に
 貴様もその重たい眼瞼を開け
 見届けよ

瞼を押さえ
赤い目薬を
一滴、落とす

投稿者

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。