うつろい
空の高いところでは
すっかり大気が入れかわった
其処はもう
宇宙かも知れぬ領域の
巻雲を見上げている
ひとりの少女
枯れ葉色のスカートのすそをひるがえし
彼女がふりかえった先には
うつむくヒマワリ
花弁は焼かれたように縮み
あれほど光を集めていた葉は
力なき腕のように垂れ下がっている
少女がやって来たからには
夏は終わらねばならぬ
見よ
斜めから射る陽光に
黄金色に輝くエノコログサ
気づけば巻雲は茜に染まり
夕暮れは近い
彼女が通りすぎた
そのイチョウの枝先は
わずかに色褪せたようだ
早くも背後からの風を
少女は気にしている
木枯しを引き連れた
あの少年がやって来るまでに
この世界を彩らねばならぬ
少女は急ぎ足で歩みを進める
空はさらに透き通り
木々は色づく
コメント
この詩を拝読して、季節のうつろいだけでは無く、物事全般の移ろいを思いました。諸行無常ですね。
この詩では、そのうつろいが、なめらかに描かれていると思います。まさに、うつろい。
@こしごえ
様
コメント、ありがとうございます。
大きく捉えて下さり、ありがとうございます。
詩の世界が広がった思いです。
万物はとどまりませんね。
わあ、秋の空だ!と。
とてもきれいです… (余韻に浸る空白)。
時の移ろいを象徴する「少女」のあまりに美しい姿を想像しました。こんな夏の終わりなら受け入れられるかもなあ、なんて。
今頃の季節を、鮮やかに描いていますね。私も、少女の美しさを想ってみました。これから、よい季節です。
@たちばなまこと
様
コメントありがとうございます。
季節によって、空の姿が全然違うことも(当たり前のことですが)、不思議です。
秋の空は、吸い込まれそうで、足元がすうすうします。
@あまね
様
コメント、ありがとうございます。
夏をつれてくるのは、誰なのでしょうね。次の夏を楽しみに、想像してみようと思います。
@長谷川 忍
様
コメントありがとうございます。
これから、どんどん秋が深まってきますね。
最近、秋の虫の声を聞くようになりました。耳に心地良く、秋らしい声。昆虫にも、季節らしさがあることが、興味深いです。
もう少し(台風)・・・空は黄金色(ネコジャラシ)ですね
@北杜アトム
様
コメントありがとうございます。
秋晴れ、しばらく先のようですね。
ネコジャラシ、太陽を受けると、なぜ、あれほど黄金色になるのか…、心に染みる情景です。