レインマン
昔の勤め先の二歳ほど年下の後輩が
退職してどっかの田舎に移住するとかで
そいつの送別会に呼ばれた
別にそれほど親しくもないのだが
難波のはずれの方にある居酒屋まで
バカみたいにノコノコと出向いて行った
顔も名前も知らない新入社員が
ネットで予約したという店は
生ビールはあきらかに発泡酒だし
店員は日本人なのに日本語が通じないし
料理はまずいし煙草は吸えないし
ひとことで言うならダメな店だった
彼の三十年近い会社生活の締めくくりが
こんなどうしようもない送別会かよ
もうちょっとマシな終わらせ方があるだろう
そう思ったらたまらなく泣けて
なんてことはこれっぽっちもなく
隣に座った初対面の入社三年目の女の子と
このポテサラくそまずいねって言いながら
二人でずっと小さな声で
これまで観た中でいちばん
つまらなかった映画の話をしてた
お開きになって店を出たら
外は凄まじい土砂降りで
もちろん二次会などなかった
コメント
ヌーベルバーグのようなロードムービーのような語り口が粋ですね。レインマンの映画は私は見たような覚えてないような。だからつまらない映画だったかどうか覚えていないのです。
送別される人にとっては最後でも、大して知りもしない側からは他愛もない日常の1シーンなのでしょうかね。
土砂降りは少しなら潔くて当たるのも悪くないなって個人的に。
レインマンは観たことがあったような、なんですけれど最近読んだ本にモデルになった方のことが書かれていたので観返してみたいと思っていました。
土砂降りで逆に良かった。なんでもちゃら。ノーカンに流せる。味気のない夜もこれで一興。
レインマンは好きだったな。ダスティンホフマンとトムクルーズ。あれもロードムービーだった。
難波とかなじみのある地名出るとドキッとするのなんなんでしょう笑
切り取られた時間と空間の密閉具合が好きでした
@たかぼ さま
レインマンを観たのは、たぶん大学2回生の時。なので、もしかするといま観たら、当時とはまた違った受け止め方になるのかもしれません。でも、その時はなんてつまらないんだろうと、必死で睡魔と戦った記憶があります。
@たちばなまこと さま
会社の送別会、送り出される側になった経験も二度ありますが、大勢での送別会ってのは送る側も送られる側も、案外心ここにあらずみたいな空々しさがあるような気もします。ほんとうに親密な仲なら退職後も縁は切れないでしょうしね。
@王殺し さま
そうです、ダスティン・ホフマンなんですよ。ぼくは、自分でもなぜなのかは説明できないんだけど、あの俳優がすごく苦手で。苦手というか、嫌いで(笑)。
@イチカワナツコ さま
こんなに長らく大阪に暮らしているのに、難波って毎回道に迷うのですごく苦手です。アプリで地図見ながらじゃないと、目的地にたどり着けない(笑)。