烏影抄

烏影抄

※本詩は作者の創作によるものであり、歴史的・宗教的事実を描写するものではありません。

詞書
冷き雨の降る夕べ、灰の門に向かひて歩みし折、
こころ重く、脆き願ひを神に託しぬ。
そのとき、烏らは門の辺に集ひ、
声をあげて我を迎へたり。
人の冷酷さを思ひ知り、
ただ烏のやさしさに救はれし心を記す。

本歌
灰の門
重きこころを
雨うちて
烏は泣きて
我を迎へぬ

脆き身を
神に委ねて
歩むとき
ただ黒き影
道をひらけり

冷き庭
恐れ抱きつつ
入るれば
烏ふたたび
声をあげつつ

我はただ
害なきものと
告ぐれば
闇の報せを
彼ら運びぬ

人の冷酷
さを思ひ知り
立ちすくむ
烏やさしき
雨の世の友

反歌
雨の世に
烏の影は
寄り添ひて
冷きこころを
静かに赦す

投稿者

東京都

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