通夜

綿菓子が曇った夜空に
ほぐれて溶けていく
描き続けた鉛筆は
冷蔵庫にしまっておいた
波間のエレベーターは
花畑の夢を見ながら
昨日のある方へと
漂ってやまない
昔と同じ型の自転車が届く
他愛のないわたしの童心は
それに乗れば
どこまでも走って行けた
したい話は
たくさんあった

投稿者

コメント

  1. どなた様か、亡くなられた のでしょうか。合掌

    他の詩人もそういう所があるのでしょうが。
    たもつさんの詩には、通常の文章とはちがう詩的文脈がありますね。それは、常識では計り知れないものです。そこに、
    たもつさんの真骨頂がありますね。

  2. 結局、死んでゆくとき最後に思い出すのは、幼い頃に買ってもらった、自転車の色かもしれない、なんて思いました。

  3. ひとつひとつのフレーズが
    もうここにはいないひと
    「死」を、暗黙のうちに連想させてますね

    したい話がたくさんあるのに
    もう、その人はいない

    綿菓子は静かに溶けて
    鉛筆は冷蔵庫の中で冷えてしまっている

    しんとして、ポカンとしポツネンとして
    言いしれない淋しさが全体に膜を張ったみたいに
    覆っている感じがしました

  4. 波間のエレベーターは明日には行けないのですね…。花畑の夢をみながら、穏やかな波間をたゆたって、ほしいのは、見送る方の夢でもありますね。

  5. 「あった・・」

    なんとなく
    すぐに
    涙が出ます

  6. あるのに、掴めない、吸い取られる、みたいな、しまう場所もわからない、ずっと決めない、ような、そんな。
    ほぐれて溶けて…が、もう、なんとも。

  7. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。また、合掌、ありがとうございます。
    私の場合、もともと文章が得意ではないので、詩的文脈に見えるのかな、というのは実はコンプレックスであったりします。それもまたいただいたもの、として収めようとしています。

  8. @たかぼ
    たかぼさん、コメントありがとうございます。
    いなくなった人との距離をはかる時に、その人との思い出をなぞる、というよりも、たかぼさんがおっしゃるとおり、例えば自転車の色のように、その人の目に自分はどのようにうつっていたのか、そんなことを思い出すような気がします。

  9. @雨音陽炎
    雨音陽炎さん、コメントありがとうございます。

    しんとして、ポカンとしポツネンとして

    これ、凄くよくわかります。人の死と向き合って泣いたことはありませんが、自分の世界を構成していたひとつの箇所がなくなってしまい、そのことに狼狽えたり、喪失感を覚えたり。誰かの世界を構成している自分の死を考えたり。

  10. @野鳥倶楽部
    野鳥倶楽部さん、コメントありがとうございます。
    そうですね、おそらくほとんどの人は一度しか死ねないから、それがどういうこのなのか、その後どうなるのか、それはわかりませんが、穏やかな旅路を願う、そのことによって、残された者の気持ちを整理しているのかもしれませんね。

  11. @北杜アトム
    北杜アトムさん、コメントありがとうございます。
    人との別れによって見つかるものもあるのかもしれませんね。
    涙は人にとって、とても大切な水分なのだと思います。

  12. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
    なんだろうな、結局何だったのだろう、と思うところがありますよね。掴めないのに、埋められないのに、その意味を考えようとする、そんな。そのような。

  13. じーんと悲しくなる詩ですね。 思い出が宝箱の中から溢れ出てくきて、これが本当に亡くなった大切な人を悼み、偲んでいることだと感じました。

  14. @mikotfran
    mikotfranさん、コメントありがとうございます。
    後悔は言い出したらきりがないですね。ああしておけば良かった、あんなこと言わなければよかった・・・
    自分だけではなくて残されたものみんなが背負っていくのですね。
    ありがとうございました。

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