胎児は筆を握れない

ー
私の記憶は、生まれた時より
私以外の者により形成された。
私の思考は汚染されてしまった。

純粋な意識はもはや持ちようがない。
何も持たずに、
言語以前の吐息を肺から漏らすように
祈りたかった。

ただ頬に触る床の冷たさ。
床をなぞった指に残る埃。
そして、身体を縮めて、
胎児の真似事をするのが私。

それだけ。

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