あなたには訊かない

あなたには訊かない

あなたには訊かない
どれほど傷ついているのか

あなたには訊けない
どれほど闇の中で
冷たい汗を流したのか

宇宙が真っ暗闇であることを私は
すっかり忘れている
この楽園に住み慣れた私の中の宇宙は
自分でも分からないほど果てしもなく暗いことを

あなたを見ているとわかるような気がする
心地よい夢を見ることができる夜があり
まっさらに新しく始まる朝を迎え
そうした毎日にとっぷりと浸っている私には
宇宙の闇が永遠に広がることは突然
引力から解き放されて空へ
まっしぐらにコメットよりも速く落ちていくことに似ている

空は青く青くどこまでも青い
それは安全地帯で休息をしている人にだけ見えるオアシス
夜は必ず明けるという確信を持っている人に与えられる癒し

宇宙の底知れない闇が大きな口を開けて待っている
虹色の小魚の群れがその大きな口に吸い込まれていく
深い闇はそれを食してもっともっと広く大きくなる
それは悪夢に近い現実なのだと
あなたを見て感じる

空が青いことだけを信じるものたちにとっての闇は
ただのバックドロップに過ぎない
それならば 痛みも傷も絵に描いたもの?

砂時計の砂が細いくびれを通って落ちていく
痛みや傷がくびれを通って形を変えていく
時間が静かに積もっていく

あなたには訊けない
どれほど傷ついているのか
けれども時間はあなたに訊く
「癒されていますか? 傷口は塞がりましたか?」

投稿者

宮城県

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