なきがらの湖
カルデラは熱の跡
湖の生まれるところ
降り積もるなきがらの便り
出逢えなかった蜜の香りを
掬いに
水の中
漂う声の明朝体
対岸で溺れたそれらの韻律が
背筋をなぞる
向かい合い
瞳の星を数えながら
指を絡めて握り合う
それが人ならば
芯のぬくもりを教えて
あきらめた言葉の最期を話して
なにもやめないで
鏡の魔物がうたう柔らかな拘束に
ここちよく抗い
果ての先の声を奥に宿して
燈らない炎のためいきに
舌のからだで封をして
添い寝して
ひきちぎって
なきがらの色彩は
なまえを与えられないまま
かたちづくられないまま
波打ち際
霧の街の物語をしたためる
惑う粒子に
いってらっしゃいのくちづけ
コメント
火山にまつわるあれこれが好きです。
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◾️月1お題企画
同じタイトルの詩をみんなで書きませんか。
次回の投稿期間は11/20(金)〜23(月 勤労感謝の日)
お題考案はこしごえさん
お題『不安は尽きないけれど』
※二重鉤括弧含まず
今後の情報などは公認掲示板をご確認ください⭐︎
https://rara.jp/poekai_2021/
嗚呼この歌は自分のために自分のことを歌ってくれたんだ!と勘違いしながら聴く歌ほど幸せなものはないのだけれど、この詩をそのように読んでみて、嗚呼私の瞳はカルデラだったのかと思うことにしました。詩全体を覆う壮大なメタファーと、喪失と再生や艶と母性、自然現象と身体感覚が織り重なっているように思えて身悶えしました。
個人の官能を超えて、普遍的なものにアプローチしてる。たちまこ節全開で今回もやられちゃった。
その昔あんなに滾っていたものも今は静謐な湖。
でもそこにはまだ失いきれないものがあります。
”水の中
漂う声の明朝体”
という表現がいい。
”それが人ならば
なにもやめないで”
と、傷つくことも、愛し合うことも、痛みを伴うすべての営みを受け入れる覚悟や、切望。
続く連の激しいエロスとタナトス。
結びではかたちづくれられないまま惑うものにも別れのキスではなくいってらっしゃいのくちづけで救済と祝福を。
すごい詩だなと思いました。
今は静かなカルデラの地下深くに、静かに噴火の時を待つマグマ溜まりの予感がします。
作者の、うねりの部分を感じました。熱の跡、湖の生まれるところ。…なきがら、というタイトルの言葉を、読み終えて後、考えています。最後の、いってらっしゃい、という言葉も。
なんでも詩の連なりに出来る
たちばなさんの詩人としての筆力が すばらしいです。
最終行も素的。
@あぶくも
さん
あぶくもさんはそんな風に読んでくれると思ったんですよー。
でも書いた人からすると相当照れます。
(そして母性があるとしたらどこなんでしょうね。)
“ 嗚呼私の瞳はカルデラだったのか”
これはもう、詩です。
@あまね
さん
たちまこ節ってどんなものなんでしょうねー。
いつも官能的ではありたいです。失いたくないもの。
@王殺し
さん
挙げてくださったところ、気に入っている(自画自賛してる)のでとてもとても嬉しいです。嬉しいので今ほうれん草とウィンナー炒めて祝杯上げてるんですけれど。
人生はエロスとタナトスですよね。
べろべろに酔っ払いながら語り明かしたいです!
王さんの住むところは、いつ頃雪が溶け終わりますか?
@野鳥倶楽部
さん
子どもの時『地球』というタイトルだったか、図鑑を毎日眺めていて、噴火から時を経てカルデラ湖が出来るところの断面図見ては涎垂らしていました。
@長谷川 忍
さん
久方ぶりのうねりが起こりました。
怒り、絶望、孤独、救済、親愛、渇望、そしてまた絶望と孤独へ。
縛ることは出来ない、もしくはしたくはないのでくちづけて見送るイメージです。
@こしごえ
さん
なんて優しくてあいらしいコメントなのでしょう。
握手したいです。