失うということを得た
空の下 大地の上で
「気楽に行こうよ」と
自分に言い聞かせる私の
「私自身の死を思えば、私についての
何事も大したことではない」と
自分に言い聞かせる私
世界の一部である私の
明日を知らない私の
さまざまな物事を忘れる私の
今を生きる全ての
私は
誰でもない
私だ。
その時私がどんなことになっていようと
世界はただ過ぎてゆく
冬にしんしんと雪は降り
春に風光り 梅雨に涙多く
夏にかげろうゆらめいて
秋に葉は紅くなる
私が死んで居なくなった後も
私の居た世界は未来へと続き
いつまでか 季節を歌う
何億年か 何千年か 何百年か 何十年か
歌う
歌う世界
その時あなたも
歌っているといい
今
今を 歌う
コメント
イチカワさんへ ああ、イチカワさんがこの詩からそういうふうに感じてくれた上にそう言ってくれて、うれしく貴重に思います。ありがとうございます。
ああ、そこがすごく響いたとのこと、よかったです。
そして、はい、その人や(ヒトではなくても)その存在にはその存在が持っている歌ってあると思うんです。たとえ自覚してなくても。うん。
そうですね、イチカワさんの言う通り、愛する存在にはすてきな歌を歌っていてほしいですね。
イチカワさんが、素敵 いい詩、と言ってくれて、とってもうれしい
俺はイチナツさんと違って、自分の存在に関係なく世界があることに切なさを覚えます。俺がいなくたって世界は変わらず回って行く、それが子どもの頃から悲しくて仕方ありませんでした。思考がネガティブなせいですね…。
BENIさんへ BENIさんにはBENIさんの感じ方などがあって当然ですね。何が正解ということはなくてですね。うん。
BENIさんの正直な思いを私に伝えてくれて、ありがたく貴重に思います。ありがとうございます。
そうですねぇ、BENIさんに言われてみれば、そういう側面もありますね。自分の存在に関係なく世界があるということは、ある種の切なさも起きてくる。でも、だからこそ、その世界に慈しみの念が起きてくるのではないでしょうか。
思考がネガティブな場合、物は考えようで、ネガティブだから物事に気を付けたりするようになる心構えが出来るのではないでしょうか。うーん、ネガティブも悪いことばかりではないと思います。
タイトルでまず境地が伺える感じがします。そして読み進めると、「私」がたくさん出てくるのですが、前に前に出る主張の強さとは真逆の静かな内に秘めた強さを感じます。また、その前半の締めと、後半の対比かつ視点の移動が素晴らしいなと思いました。
歌えるといいな、と思います。その場で歌えればいちばんよいのだけれども。振り返って、逡巡して、それでも歌えたらいいですよね。
あぶくもさんへ タイトルで境地がうかがえると捉えてくれて、うれしいです。昔はタイトルを工夫していたのですが、最近はシンプルに本文中の一部をタイトルにするのが多い中で、この詩の場合は最近にしては珍しくタイトルを工夫しました。なのであぶくもさんにそう捉えてもらって良かったです。
ああ、そうですかあ。前半と後半の対比は、自分としてはあまり意識はしていなかったので、あぶくもさんにそう言ってもらえて、気付かされました。
あぶくもさんが色々とそう言ってくれて ありがたく貴重に思います。そう言ってもらえて安心しました。
ありがとうございます。
長谷川さんへ イチカワさんにも次の通りに言いましたが。「その人や(ヒトではなくても)その存在にはその存在が持っている歌ってあると思うんです。たとえ自覚してなくても。」と思います。うーん、どうでしょうねぇ。
でも、そうですね。歌えると、いいですよね。色々とあって、歌えない時もあるのかもしれませんが、その時その時、気付けば歌っている時もあるのではないでしょうか。
さまざまな歌があると思うんです。苦しい歌、さびしい歌、悲しい歌、喜びの歌、楽しい歌など。
長谷川さんとこうして会話してて、今の今ふと思ったのですが、歌って、その存在の魂(いのち)の歌声なのかも。ふふ、そう思います。
長谷川さんにそう言ってもらえて、こうして思いが広がる機会を得てありがたく貴重に思います。
ありがとうございます。
梅雨に涙多く
世界は美しい
私、は、確実に生きている
歌う
全ての世界の変化の無常を歌としているんですが、ミクロな暖かさを持ち合わせています
素晴らしいです
那津さんへ そうですねぇ、那津さんの言う通り、世界は美しいですね。ヒトの世界がどうあれ、世界は美しい。
そして、世界は歌う。「私」も歌う。
ああ、那津さんが、さまざまにそう言ってくれて、ありがたく貴重に思います。ありがとうございます。
無常と変わらない物事の世界。
那津さんがこの詩からあたたかさなどを感じたりしてくれてうれしいです。
そして、素晴らしいとまで言ってくれて ありがとうさま♪
湧き出て止まないポエジーが、からだをざわめかせてゆきました。
たちばなさんへ たちばなさんにそう言ってもらえて、ありがたく貴重に思います。ありがとうございます。
ああ、この詩のポエジーが たちばなさんのからだをざわめかせていったという。うん、この詩を感じてくれて、それを私に伝えてくれて、とってもうれしいです。
たちばなさんというすてきな詩人にこの作品のポエジーを感じてもらえたことを光栄に思います。