この時に

月の闇に耳を澄ますと、
忘れていた約束がじんと
思い出される
私を
私は
はじまりでもなく
終りでもなく
私ではない
闇の声音を
宙へ放つと
火花が散って
真実が落果しても
物語は続くが
闇は暗い水に映り
水葬を行う
しんと
静けさが聞こえ満ちる
眠りにつき
一日を終えることが出来た
今日も
夜は明け
目覚めて
朝の鳥の挨拶の済む頃に
頂く
光は
私の影を濃くしてゆく
そして約束したね
永遠に一緒だよって
この時に
約束は果たされた

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コメント

  1. とても静かでいて力強い詩だと感じました。闇がすべてを浄化し、また光が降り注ぎ輝くものと影をつくるこの循環のようなものが約束と呼応しているように読ませて頂きました。

  2. @あぶくも
    さんへ ああ、あぶくもさんが この詩から静けさと力強さを共に感じてくれて貴重でありがたく思います。
    闇と光と影、それらが循環しているようなものとして約束と呼応しているように読んで頂けたことも とても うれしいことです。永遠という思いにも色々とあるのかもしれませんね。
    すてきに読んで感じて思ってくれて、ありがとうございます。

  3. 詩の前半は、静かな、幽玄というのか、怖さがあります。水葬という言葉にどきりとしました。そして、朝の訪れと共に、約束を果たした、守った、というくだりに続く。再生、命の循環なのかもしれませんね。

  4. @長谷川 忍
    さんへ ふふ、そうですかあ。うーん、怖さを出そうとした自覚は無いのですが、そういう読みも出来るということを教えてくれて ありがたいです。
    まあ、あと、最後のほうは、実際に経験した不思議なことから書き起こしたことですが、ほんとうのほんとうに不思議としか言えないことがあったのです。この不思議なことを誰も信じてはくれないだろうから、ここではこの不思議なことは言いません(もし、長谷川さんが、この不思議なことを知りたい場合は、SNSのメッセージで一言「その不思議なことを教えて!」と言ってくれれば、そちらで教えます)。ほんと不思議なこと。でも、その不思議なことが起きてから、私はこの宇宙世界には人知の及ばない不思議なことがあるんだ、と思うようになりました。
    とはいえ、長谷川さんが、この詩から再生と命の循環などを感じたりしてくれたことを貴重に思います。それらを私に伝えてくれたこともうれしい。
    長谷川さん、ありがとうございます。

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