懐かしい今のシーン

カモメの、裂かれるような音がする九階屋上。
から確認した景色。
あの海は怖いのだと、母は言う。
波の重なりに目を向けると 何か悪いものをみてしまったように思える。
陸地。水平線を直視する。
点、線、つながる、だいだいえのぐ。
濃くなっていく海。
灯台と目が合う。
しずかな太平洋は、わたしの思い出に蓋をした。
閉まるわけじゃない。保存したのだ。
──耳で大航海。
今、目の前で繰り返される音楽と映像。
それは紛れもなく、むかしを帯びていた、今。

投稿者

北海道

コメント

  1. 過去との結び付きは、切りたくてきれなくて。
    今を、ありのままの今を。
    そう念じてもかなわないのが関の山で。
    しかし、連なる記憶は、上書き保存ができるのだと。
    件名は同じても更新することができる。
    だがしかし、コピーを増やして残しておきたいとも思ってしまう。

    膨れ上がるメモリーと狭まる容量。
    そんなことをおもいました。

  2. 灯台と目が合う
    この表現が素敵です

    海や山が怖い時
    1人の時

    耳で大航海は、すごい!

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