オリンピア

このようにして我々が他国の言語を話す時
ひきしまった胴、そしてジャンプする
高跳びの木の棒は
おおきく揺れたけれど
落ちることはなかった
砂地はやわらかく選手の身体をうけとめる
あまつさえ彼の焼けた肌を
照らし出すこのしびれるほどに明るい
太陽
語って聞かせよう君たちに
アマルガーシュの鍛えられた赤銅色の
肉体は、はるかな地エジプトの
神々にも劣らない
その俊敏な動きは戦場ではなんと多くの
敵の首を掻き切ったことか
そしてまたなんと多くの兵を捕虜として連れ帰り
その兵たちは奴隷としてこの街の
汚れた仕事をこなしていることか
走り来てすなわち、一瞬にしてジャンプする
太陽の方へ、また雲の方へ、そして星々の彼方へと
われわれの認識する空間と言うもの
そして伝説と神話の力を軽々と越えて
彼は真理の力を得て万物のエネルギアの化身として
ああ、それは神々も感歎するもの妬ましくさえ思うもの
鍛えられた筋肉の動きである
俊敏のきらめく光のように
ジャンプするその全身の力の源泉は
オリンポスの山頂にわきおこる雲の力
そしてまた激しく雨となり大地を照らし出す
雷(いかづち)の力
いま彼をして神の王、ゼウスの長子とせよ
それは可なり、われらは皆それをうべなう
見よ、今彼は走りくる
そして次の瞬間には天空にいる
アポロンの肉体もかくはあらん
ひさしくわれらはこの競技を讃え
ひさしくわれらはこの身体を愛する
これぞまさに神々のつくりしもの
われらの誇りとするもの
さらに高く
さらに美しく
彼をしてオリンピアの
『美』と呼ばん。

投稿者

岡山県

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