こだま
こちらからあちらを眺める
あそこにいたはずの自分に手を振る
さよならとも違う
また会おうとも違う
ただずっとそこにいる
こちらからあちらを眺める
夢のようで覚えてはいないけれど多分
あそこにいたはずの自分もまた
こちらに手を振っていたんだろう
ひとりの山旅
高揚する思い
遅れた歩みの紅葉が始まる
音のない静かなやまびこを
僕はしかと交換する
こちらからあちらを眺める
あそこにいたはずの自分に手を振る
さよならとも違う
また会おうとも違う
ただずっとそこにいる
こちらからあちらを眺める
夢のようで覚えてはいないけれど多分
あそこにいたはずの自分もまた
こちらに手を振っていたんだろう
ひとりの山旅
高揚する思い
遅れた歩みの紅葉が始まる
音のない静かなやまびこを
僕はしかと交換する
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コメント
題と詩の本文が密接につながって、詩の力を感じます。
一行目からずっと来て、最終連の着地の心地好さが好き。
それと写真がすごい♪
@こしごえ
さん、ありがとうございます。
何だかふわっと出来上がりましたが、自分では珍しく表現したいことが力むことなく表現できたかなと思えています。
久々の北アルプスであり、久々の画詩でしたので、題と詩の本文との繋がりや最終の着地にコメント頂けて嬉しいです。
この詩の世界にとてもひきこまれました。特に
「夢のようで覚えてはいないけれど多分
あそこにいたはずの自分もまた
こちらに手を振っていたんだろう」
「音のない静かなやまびこを
僕はしかと交換する」
タイトルや画とも相まって素敵です。
@草野まこと
さん、ありがとうございます。
山旅では戻ってから写真とともに日記のような山行記録は書きますが、今回は何だか感慨深いものがありましたので、詩にして残すことにしました。思いを巡らせた部分に目を留めていただけて嬉しいです。
あらためてゆっくり読みにきました。
日の出か日の入りか、あちらかこちらか、時間が境界をやさしく忘却して、この自分さんと山々を祝福しているようです。
@たちばなまこと
さん、ありがとうございます。
「時間が境界をやさしく忘却」
なんて素敵なコメントなんでしょう。
とても癒されてしまいました。
ちょっと今夜、別件で新たな企てを起こそうかと計画中ですので、笑ってやってください。(自らハードル上げてる?)
いつも街を這いずり回っているだけの私には
こんな素敵な詩は一生書けないな、と思いました。
山旅をほんの少しだけご一緒させていただけました。
ありがとうございます。
@nonya
さん、ありがとうございます。
今回素敵なのは私でも詩でもなく、山でしたね、明らかに(^^)
この写真を撮った少し前の時間では、北アルプスの山々が朝陽で赤く染まるモルゲンロートも楽しめました。ソロで行ったので自分と向き合う旅でもありました。
こだま、やまびこ、というのは、自己との対話なのかな、…と、本作品を読み想ってみました。詩作の原点かもしれませんね。
@長谷川 忍
さん、ありがとうございます。
そうですね、自己との対話であり、自然の霊性との対話といったところでしょうか。
どちらも自分にとっては大切にしたい時間ですね。
過去・現在・未来の自己との対話の深まりが伝わります。 4・5・6(終連)、いいですねぇ・・。
@服部剛
さん、ありがとうございます。
まさにそういう対話だったなぁ。自分自身はハァハァ息切れしながらも、いろいろあった過去やまだまだいろいろある未来を丸ごと肯定しているような山の姿に憧れます。
@莢豌豆
さん、コメントありがとうございます。
時間や距離や自他の関係が明確に分かれることなく前後したり反転したりして「現在」の思いにすべてが同時に反映されるような何とも不可思議な世界を写真の景色を見ながら思ってみました。