悲しみ

破れた夢は涙の海の難破船
先へも行けず
後にも戻れず
波に打たれて海の藻屑

千切れた夢は
祭りの後の黒い闇
人も無く
音も無く
沈黙だけが踊り出す

涙腺を突くのは
目当てのない寂しさ

悲しみを詠うのは
帰りはぐれた孤独なカモメ

漆黒の静寂に浮かぶのは
一筋のひかり

絶望なのか希望なのか
歪な心は知る由も無く

青ざめた溜息が
波のまにまに光るだけ

風よ
海よ
未来よ

そっと囁いでおくれ
私の耳元で

心を揺さぶるように

投稿者

コメント

  1. この詩を拝読して、悲しみ がうまく詩として定着していると感じます。洗練された詩の言葉達。

  2. コメント有難うございます  これからも 宜しくお願い致します

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