風のように
目立たない人たちが
いる。
オフィスのフロアーで
学校の廊下で
家庭の団欒の中で
ひとりの食卓の片隅で
街角の喧騒に
ネット画面の向こうにも。
彼らは
目立たない
なぜって
誇示する必要が
ないから。
いたずらに
騒いだりしないから。
さながら
柔らかな風のように
澄んだ水の流れのように
時には拭えない傷も
そっと隠して。
日々のかたわら
今朝も
気持ちよい風に吹かれている。
目立たない人たちが
いる。
オフィスのフロアーで
学校の廊下で
家庭の団欒の中で
ひとりの食卓の片隅で
街角の喧騒に
ネット画面の向こうにも。
彼らは
目立たない
なぜって
誇示する必要が
ないから。
いたずらに
騒いだりしないから。
さながら
柔らかな風のように
澄んだ水の流れのように
時には拭えない傷も
そっと隠して。
日々のかたわら
今朝も
気持ちよい風に吹かれている。
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コメント
世界の人口は明後日の11月15日で80億人になるといわれていて、
そのほとんどの人たちは目立つ必要もなくそれぞれの生活圏で
普通に生きているんですよね。
因みにネットサイト17億サイト、ページは60兆ページとのこと
で、その大半が目立つこともなくひっそりと「ある」不思議に
も、この令和世界は広いな大きいなと感動することがあります。
とても綺麗な作品ですね。最初は「目立たない人たちが いる。」から始まって、先を読むにつれ、そんな人たちの良さだけでなく何かしらの信念もあるのではと感じ、最後まで拝見して再度詩のタイトルに戻ったときに、タイトルの意味がわかったような気がいたしました。軽やかな気持ちにさせていただきました。ありがとうございました。
後半の二連の美しい詩のまとまり方は作者自身の柔らかく澄んだ洞察を感じさせます。また気持ちの良い詩に巡り会えました。
@足立らどみ
足立さん、新聞やネットの事件記事などを読んでいると、気持ちが曇ってきますが、世の中の大半の人たちは、まっとうに生きているのだと思います。でなければ、社会は成り立たない。そのごく普通のまっとうさを、信じたいです。
@さはら
さはらさん、信念というというのは、わかります。静かな矜持のようなものかもしれませんね。平穏さから湧き上がってくる想いかもしれません。…もちろん、華やかさ、刺激的な分野があってこその平穏です。バランスなのかな。
@あぶくも
あぶくもさん、ありがとうございます。この二連、書きたかったんです。そこを汲み取っていただき、嬉しいです。
優しい風ならいつでも嬉しいですね 風のハンカチはすべすべでふわふわ、どんな涙も吸い取ってくれそうですね
本当は目立たない人達が社会を支え世界を動かしているのですよね。
「当たり前」を継続させる力を風のようにまとって。
その理由、おだやかにみみうちされたようです。
ひとはひとりで完結出来ないから補い合って生きてゆくのだろうと仮定して、それぞれが心地よいバランスで在れるよう意識を高めようと気を引き締めました。
@夢の途中
夢の途中さん、寂しさや、哀しみ、切なさをもはらんだ風なのかもしれませんね。それでも、人は柔らかく生きていきます。
@nonya
nonyaさん、ありがとうございます。
本当は目立たない人達が社会を支え世界を動かしているのですよね。
まさに、それを書きたかったのです。
汲んでくださり、嬉しく思います。
@たちばなまこと
たちばなさん、そうですね。個は、もちろん大事ですが、人は補い合いながら、重なり合いながら、生きていくのかもしれません。バランスなのでしょう。
コメント失礼いたします。
そのささやかな風が、いつまでも吹いてほしいな、と思う心地がいたしました。
どんな日々、どんな日常にも。
個は全だったり、全は個だったりで。
大切にしてるから
大切にしたい
大事にしたいから
大事にする
そんなことが浮かびました。
(乱文すみません、、)
@ぺけねこ
ぺけねこさん、「個は全だったり、全は個だったりで。」というのはよくわかります。双方に被りつつ、生きているようにも思うのですね。個だけだと、ひとりよがりになるし、全だけだと、自らを見失ってしまいます。どっちつかずの不安さをはらんだまま、風に吹かれているのが、いいのかな。…生きることは、むずかしい。