小さな傷、小さな死

おれはおまえが中心に抱えた小さな傷を知る

そしておまえの湛える薄黄金色を透かし見る

静謐で繊細なものを絶え間なく立ち上らせる

一筋の昇天の道標となりおまえは導かれゆく

おれは夜毎おまえに小さな死を数えさせては

心地良い酩酊をよそにことを成し遂げるのだ

投稿者

千葉県

コメント

  1. 夜毎とはすごいです。(食いつくところそこかいって感じですみません)
    中心の傷は死んで生まれ変わる度に癒えてゆくのでしょう。

  2. 小さな死を数える行為に魅力を感じます。
    字数をそろえてこれだけの詩を書けるあぶくもさんの筆力に乾杯。

  3. @たちばなまこと
    さん、その食いつき、ありがたい限りです(というコメント返しもどうかと思うものの 笑)
    中心の傷はわざと付けられているらしいのです。昇天の道標のために。

  4. @こしごえ
    さん、ありがとうございます。
    小さな死は、泡(静謐で繊細な)がはじける様をとても性的に意味ありげに書いてみました。

  5. 人の営みを、ふと連想してみました。…官能的。
    小さな死を数えさせては、というフレーズ、絶妙です。死は生の対極ではなく、その一部として存在している。村上春樹さんの言葉です。読後、村上さんのこの言葉を思い出しました。

  6. @長谷川 忍
    さん、ありがとうございます。
    欲求不満からか(笑)、さまざまな事柄をどうしても官能的に書いてみたくなる時があるようです。「小さな死」に響いてくださってとても嬉しいです。死生学論的な小さな死とバタイユ的な小さな死を掛け合わせています。そしてそもそもこの詩は(おフランスはシャンパーニュで)フルートグラスを眺めているだけのものなのです…

コメントするためには、 ログイン してください。