1829

夕空の雲量は4
陽射しの名残りがもうすぐ消える
かすかな光が留まって
こまかく
さらにこまかく散っていく

さかなたちは夢を見るだろうか
地上に生まれ落ちて
木々のあいだをそぞろに歩き
土に還る
そんな夢を

星は気ぜわしく灯りはじめ
今日が終わっていく
さようなら、ぼくのお日様
明日また会えるなら

小鳥たちは夢の中へ
羽を休めて

日暮れのかなしみは無窮の音
ちかちかと
さびしい胸にひびく

さようなら、ぼくのお日様
光はもう届かない

投稿者

東京都

コメント

  1. 夕刻の、なんとなく夏の名残が残る抒情を思いました。日に日にお日様が短くなっていく喪失感。
    “さらにこまかく散っていく”
    “さようなら、ぼくのお日様”
    これらが印象に残ります。
    (はじめの4にとらわれて1829がわからなかったのでチートして本人に聞きましたよ)

  2. 18時29分なのかな。ちょうど今の時期の日の入りの時間ですね。その1分ほどの瞬間を、さかなや小鳥たちの姿になって心情を繊細に描写する、あまねさんの真骨頂のような作品。

  3. コメント失礼いたします。

    降り注ぐ切なさがじくじくと沁みてゆきます。

  4. 夕刻の昼と夜の交替をあまねさんの美しい言葉たちで表現されて沁みます。
    しかし、4が気になる!と思って調べたら雲量ってそう言うことなんですね、初めて知りました。なおさら初めのこの数字が効いてますね。

  5. ああ、あまねさんのこの詩の切なさが こころにしみて響く。でも、この切なさはどこか心地好いです。
    全体的に好きですが、
    さようなら、ぼくのお日様
    光はもう届かない
    という最終連の余韻がたまりません。

  6. 俺も好きでした、雰囲気

  7. 夕暮れ時が、繊細に描かれていますね。二連目の、さかなの描き方が好きです。…土に還る夢。トノモトさんの解釈を読み、なるほどと思いました。18時29分。今頃の季節、午後6時半近くが、ちょうど夕暮れから宵にかけての時間帯ですね。

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