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心斎橋筋商店街にはいくつかの商店が残っていた
ネクタイと言うものが化石として売られていた
またおなじように化石の靴も売られていた
食事をするために、うどん屋に入ったのである
大きなアゲが乗ったきつねうどんが一番おいしいのである
それから地下を走る重力列車に乗り
新しい惑星へと発射される
新鮮でしゃきしゃきのレタスが恒星を包む
その隠されたレントゲン写真で見る時
茶畑のたすき掛けの娘たちはローゼンタールである
にこやかでやすらかで、神秘である
停止された感覚を再度起動する場合には
ホームランバッターが必要です、たしかに
ビタミン注射で竹林が復活したと言われるので
我々の根には太いチューブが巻きついている
とんでもないところで天皇に出会う
鎌倉寺の池の鯉は昭和の頃から赤い鱗です
ところてんの店が今日は閉店している
その前の日にはこの山で火事があったので消防士が寝ている
道頓堀川のある場所では、夜の工事が行われている
そして今の今までそこにいたオオサンショウウオ
けれどどこへ行ったのでしょうか
侍が座っている。

投稿者

岡山県

コメント

  1. 800年以上未来の大阪なのでしょうか。進歩というものは直線的ではなく歪な形で進むものかもしれないですね。不思議な感じがいたしました。

  2. 時代が、前へ、後ろへ、また前へ、ゆらゆら揺れている。読後、そんな錯覚を覚えました。オオサンショウウオの描写が印象的です。井伏鱒二の小説をふと思い出しました。サンショウウオの憂鬱…。

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