鏡
夕暮のほんの短い一時
鏡が恐ろしいのに
惹きこまれる
皮フの下に黒くうき上がっているもの
瞳の焦点を狂わせようとする光りが
まるで
靴音と共に
去って行った
鋭いメスと
麻酔薬の匂いに つつまれた人
見たくないのだ
私の理性をまどわせるそれらを
それなのに、
私は鏡に惹きこまれる
夕暮れのほんの短い一ときにだけ
絶え間ない金管の響きが
冬を
突き破ろうと焦り
生命を圧し
殺そうと焦り立つ
逢魔が時
私は
愛に敗れて
生命の激しさからのがれようとする
生き生きと うかび上がってくるそのもの
それが私なのか
コメント
逢魔が時、大禍時。心の深淵に触れる詩ですね。
@あぶくも
様へ
お読みいただきまして、ご感想のお言葉をお寄せくださり
どうもありがとうございます!
人は…自分自身で己の姿を見ることが出来ません。それは、
自分の眼で見てはいけないものだから?…なのかもしれない
と。
サガセ、サガセ、サガスナ、サガスナ…
そのように詠われた、私の尊敬する大好きな詩人さんの作品が
あります。
ある日没、寝室の鏡台で鏡のむこうに映りこむもの…!
それは魂のうずきなのかも知れません。
あぶくも様に、私の目にいたしました逢魔時を、感じて
いただけました事とても、嬉しく思います。(^ ^)
リズムがいいなあと思いました!
@たちばなまこと
様へ
お読みいただきましてコメントをお寄せくださり、
とても嬉しいです!(o^^o)
どうもありがとうございます。
たちばなまこと様の最新作の詩、投稿くださるのを
楽しみにしておりました。♪