坑道

地下深くにある
昔は工業用の道
今では避難場所

外では争いが絶えないという
日に日に姿はやつれていって
毎日汗と涙と血を流すばかりだ

坑道内は比較的安全で
破裂音も聞こえてこないし
誰かの悲鳴を聞くことも少ない

それでもやはりというか
太陽のあの暖かさはない
風のあの爽やかさはない

そのうちに我慢できなくて
こっそり外へ出てみた
誰にもとめられることなく

太陽が出ている日はとても嬉しかった
そうでなくても外の空気はおいしかった
ほこりと汚れに満ちた空気ではなかった

そんないい天下で毎日のように争っていて
太陽の暖かさも空気のおいしさも
何もゆっくり味わうことはできないのだろうか

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