闇が焦がした翼
闇が焦がした翼
を 癒すために
光 の中に消えていった 鳥 で
できているそれ を 捕らえるこ
と は できない 偏光顕微鏡の
中の ラピス ラズリ さような
ら と 言えない僕 を見つめて
いる イスタンブル の 瞳
一
度だけ 立ち上がる 波 の後訪
れる 破裂 そして 邂逅 天使
のラッパ の導くまま に 抜け
殻は やがて 黄蜜 となり 恋
人達 を 祝福する だろう
触
れてはいけない と諭された少女
が 湖面に浮かぶ 大鳥居 に寄
り添ったとき ケルメス という
名の無数のカイガラムシ は 彼
女の着物の裾 から 湧き上がり
散り散りとなって 水に溶けなが
ら 果てしなく 広がっていった
コメント
タイトルから良いですね。
詩の景色を頭でスケッチしてゆくのもとても有意義でした。
改行とスペースの伏線を私は見つけられませんでしたが配置が静謐で美しい。
@たちばなまこと
さん、このよく分からない詩にも関わらず、丁寧に読んでいただいて、とても嬉しい感想をありがとうございます。
改行と、間の取り方が独特ですね。詩ならではの醍醐味でしょう。
私は、三つの独立したイメージとして読んでみました。
とくに、後半の、「湖面に浮かぶ 大鳥居」から以降の展開に惹かれます。
ぼくはなぜか、タイプライター、のイメージが浮かびました。静かに、黙々と、しかしなにかが蠢いている。そんなことが浮かびます。
@長谷川 忍
さん。間の取り方と後半の視覚的イメージに着目して頂きありがとうございました。
@ぺけねこ
さん。なるほど、その読み方、とても興味深いです。ありがとうございます。